真っ暗な闇の中。
聞こえるのはかすかな水音と自分の呼吸音のみ。
その水音も、楽な姿勢で落ち着くにつれておさまり、
心地よい静寂に包まれます。
isolation(隔離)という言葉から想像したよりも、
ずっとおだやかな空間に感じます。
アイソレーションタンクってなんじゃらほい
アイソレーションタンクというものを、ご存知
でしょうか。
高浮力の温かい液体の入った、音と光の遮られた
タンクで、別名を感覚遮断タンクといいます。
その中に浮かぶことで、視覚・聴覚・触覚や重力の感覚と
いった刺激を大幅にカットして、身体を大いにリラックス
させることができます。
もっとも、このタンクを開発したジョン・C・リリィ
博士にとってはリラックスではなく、「意識」の研究こそが
目的だったそうですが。
彼自身は薬物を使用して「トリップ」しながらカプセルに
入って神秘体験を続けた、とのことで、このタンクとジョン・
C・リリィ博士の話をモデルに、『アルタード・ステーツ』という
映画が作られたりもしましたが、まあ、長くなるので
本筋に戻しましょう。
で、そんなアイソレーションタンク、『ご冗談でしょう、
ファインマンさん』でリリィの親友、物理学者ファインマンが
試して体外脱出体験した、という話や、ジョン・C・リリィの
伝記を読んでからずーっと気になっていましたが、ようやく、
体験することができました。
ゆらぐ境界、ゆるむ肉体
闇の中、呼吸を整えて力を抜いていくと、
果てのない空間に身を置いているような
不思議な解放感。驚くほど快適です。
時間に対する感覚も普段とは変わり、
1時間とは思えないような、ゆるやかな時間が
流れます。
ファインマンのような幽体離脱体験や、リリィのような
幻視はまだ体験できませんでしたが、自分の境界≒皮膚が、
ぼやけていくような感覚、ゆるやかに拡張縮小していく
ような感覚は、他では味わったことがありません。
これは、数回続けるともっと色々面白いことが起きそうだなァ
という感じでした。
また、カプセルから出た後にも驚きが。
カプセルから出た直後はまっすぐ立てないほど、体が
ぐでんぐでんに脱力していたのです。
重力や外界の刺激に対する構えが、どれほどの緊張を
生んでいたのか、これだけでもよくわかるというものです。
また時間を作って体験してみたいと思います。
興味の湧いた方、ぜひ一度体験してみることをオススメします。
参考:アイソレーションタンクサロン・東京白金フロートセンター
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