■患者さん
40代の女性の方

■主訴
肩こりがひどい
腰も少しだるい
ときどき頭の左側だけ頭痛あり
「肩を揉んでもらっても、いっとき気持ちいいのですけれど、
効かないんです」とのこと。

■検査と施術
患者さんの背に手を触れたまま
バンザイしていただくと、背部の筋・筋膜が、
腕の動きについていかず、
かなり挙げづらそうなご様子。

動かない部位を辿っていくと、仙骨のあたりに
弾力がないので、仙骨あたりをたわめた状態で
バンザイしていただくと、さっきよりだいぶスムーズに上がる。

腕・肩と腰との間で引っ張り合いが
起きているので、ひとまず座った状態のまま、
触れるだけ程度の刺激で骨盤に動きをつける。

これだけで肩はだいぶ動きやすくなる。
と、見ると腕の上がり方にかなりの左右差が出た。

見てみると、左右のわき腹の動き方が
だいぶ違う。

足からの筋膜連鎖がうまく機能していないのでは、と
アタリをつけて、腕が上がりにくい側の足の甲に硬結を
見つけ、ゆるめると、動きにくかった右腕も素直に動く。

腕や脚をゆらす手技で緊張をとったのち、
肩甲骨まわりをストレッチ。

眼の使い方の癖が身体の捻じれと関係していた
ようなので(このあたりは、繁雑になるので、あらためて
記事にしたいと思います)眼の筋肉のストレッチ法と、

肩に自覚症状が出た場合のセルフケア法を
お教えして、施術完了。

■解説のようなもの
身体の様々な部位からかかったテンションが

肩の動きを窮屈にして、肩こりとして自覚されている、
という症例です。

肩を揉んでもなかなか効かないわけです。

肩そのものの問題ではなく、肩にテンションをかけ続ける
身体のねじれと、そのねじれを生みだす癖の
問題だったということです。