健康のためなら死んでもいい?
健康についての情報が、あふれています
(実際、ここのブログの記事もそうですが)。
わが治療院も健康産業のはしくれですので、
色々なことをご質問いただきます。
実際に最近聞かれたものは、
・ストレッチの正しいやり方は?
・やせるのにいい方法は?
・自律神経失調症って、結局どういうこと?
・めまいが起きた時の対処は?
・瞑想って、いいの?
などなど。
浅学の身で、嘘をお伝えすることのないよう気をつけて
いますが、健康番組などで聞いたことが気になる方も多いようです。
情報が多過ぎることは、それ自体がストレスにもなります。
健康のことを気にし過ぎて不健康になるのも、
何とも切ない話です。なので、色々なことが気になり
過ぎる方には、いつも
「究極の奥義」
をお教えしております。
それは……
そもそも正解があると思わない
ことです。
冗談ではなく、これがたぶん、究極の奥義です。
「身体にいいとされるもの」が、あなたにとって絶対に
いい、とは限りませんし、「身体に悪いとされるもの」が
あなたにとって絶対に悪い、とも限りません。
たとえば牛乳を分解できる酵素が少ない(乳糖不耐症)
人にとっては牛乳は下痢を誘発することもあります。
骨粗鬆症が増えるのだ、と主張する人もいれば、
イヤイヤ、むしろ減るでしょ、という主張もあり、
真逆です(笑)。
そして、「悪いもの」が、いつも悪いとは限らないのです。
砂場で遊んだ子供が、結果的に感染症に強くなる、
という説や、海外旅行で日本人がお腹を壊しやすいのは、
きわめて衛生的な日本の環境に身体が慣れ過ぎている
ためだ、という説もあります。
身体にあまり良くないものを入れることも、よほど
危険な量を摂取しなければ、むしろ身体の機能を
高める場合もあります。
いっとき、森林浴がガンを殺す細胞(ナチュラルキラー細胞)を
活性化させることが話題になりました。植物がつくる揮発性の
物質「フィトンチッド」がNK細胞を増やす、と言われておりますが、
このフィトンチッドは植物が有害な敵から身を守るためのものでも
あるため、有害な成分も含まれています。
参考:フィトンチッドの有害性について
http://www.phyton-cide.org/library.harm.html
微弱な毒が、かえって身体を元気にしている、とも考えられる
わけです。
また、バリアフリー住宅がかえって、身体能力や注意力の低下を招く、
という話もあります。
参考:平成22年6月号「TOGETHER」 バリアフリーから生き方を考える
http://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000085497.html
上の例にしても、良い悪い、なんて観方によってコロコロ変わるので、
正解は、多分、ありません。
仏教思想のパクリです
元ネタは、仏教の考え方です。
最近も仏教思想の本を何冊か読んだのですが、
私のアタマで理解できた範囲では、仏教思想の根っこは、
こんなコンセプトです。
「正解なんてないぜ。あっ、正解なんてないぜ、ってこの意見も、
正解だと思わないようにね」
という、ある意味とっても意地悪(?)な考え方なのですが、
精神衛生上は、もしかしたらものすごくスッキリする考え方
かもしれないなぁ、というのが私なりの感想であります。
正解がないなら、どうすればいいの、ということになりますが、
このあたり詳しくは、また稿をあらためて書きます(たぶん)。