腰痛、こんなことでお困りではありませんか
腰痛の原因とは
なんらかの腰の痛みを経験したことのある人は8割以上で、国民病とも言われる腰痛。
その原因も、筋・筋膜によるもの、関節の問題によるもの、骨の問題によるもの、内臓の問題によるもの、心理的な問題によるものなど様々です。
私はマッサージの国家資格養成校の学生だった時に、図書室で菊地臣一先生のその名もずばり『腰痛』という大著を読んでいたところ、腰痛は8割以上が非特異的腰痛、つまり鑑別診断がつけられないものだと知って、えらく驚いた記憶があります(最近でこそテレビや新聞、雑誌や一般書籍などで非特異的腰痛について知られるようになってきましたが)。
病院で鑑別診断のつかない腰痛で当院にお越しになる患者さんは、大抵は、筋肉の緊張が影響しています(仮面うつなど、例外的な症例についてはいずれ稿をあらためたいと思います)。筋肉や筋膜のつながりによって腰から離れた箇所の緊張が原因の場合もあれば、腰そのものの緊張が原因の場合、そしてその二つの合わせ技の場合もあります。
腰ばかり刺激しても痛みが変わらなかったり、下手をすると悪化したりするのは、原因箇所が腰から離れているから、という場合がほとんどです。実際にあった例では、お腹の奥のインナーマッスルや首の筋肉、足先の筋肉の緊張が原因だったものもあります。
ゆがみは腰痛の原因じゃないの?
よく整体などの広告では「骨盤・背骨ののゆがみが原因」と言いますが、先天的なもの、病的なものを除けば、骨盤・背骨のゆがみは筋肉の緊張の「結果」として起こっている状態であることが多いのです。その証拠に、骨盤がねじれていようと、背骨が曲がっていようと、余計な緊張さえなければ「まったく痛くない」という方も珍しくありません。つまり、ゆがみが原因、という説明は、「原因」と「結果」が逆転しているわけです。
「いや、ゆがみを調整したら痛みが減ったぞ」という経験のある方も多いでしょう。他ならぬ私自身もそうです。ゆがみが取れたら痛みが楽になるのは、ゆがみを取るというアプローチの中で、痛みの原因となる緊張が解消・軽減されてしまうことがあるからです。だから、ゆがみが原因そのものでなくとも、ゆがみを取る手技自体は有効なのです。逆に、見た目だけゆがみを矯正しても、筋肉の緊張に変化が起きていなければ、すぐに戻ってしまいます。
どんな流れで治療を行うの?
1.治療に入る前、問診や検査の段階で、まずは手技療法で治る範囲の症状であるかどうかを、確認します。特に、施術によってかえって悪化する可能性が高かったり、緊急で病院での処置が必要な症状であったりする場合は、この時点で施術を中止にいたします。
2.腰痛の原因であろう箇所を検査によってあぶりだしていきます。身体の緊張のしかたや硬さ、冷たさや熱さ、内圧の高さ、動きの良し悪し、筋力反射の強弱などから、怪しい箇所を調べていきます。
3.原因と思われる箇所に刺激をすることで症状が軽減するかどうかを調べます。軽度の症状ですと、この時点でほぼ治ってしまうこともあります。
4.全身の状態を確認しながら、原因箇所を緊張させている要因を外していきます。この際に、症状や状態にあわせて、さまざまな治療法を使っていきます。
5.術後、体を動かして具合を確認していただきます。必要に応じて、さらにいくつかの手技を行います。
6.その場でできることが終わったら、その状態にあわせて簡単なセルフケア法をお伝えします。