11月8日、男子フィギュアスケートの羽生選手が、グランプリシリーズでの
フリープログラム前の六分間練習中に中国の閻涵(えんかん/ハンヤン)選手と
衝突事故を起こすも、演技を行い、その根性への賛美(おもに羽生選手に対して)と、
美談にしてしまってよいのか、という批判(おもに周囲のドクターやコーチ、そして
今回の話に「感動」してしまう我々視聴者に対して)が聞かれました。

私自身も羽生選手の根性は凄まじいなと思いますが、今後同様の事態が
起こった時は、その選手は羽生選手の例にならったりせずに、出場辞退を
第一選択とすべきと考えます。

今回だって、羽生選手が無理をおして出場しなければ、閻涵選手も出場しようとは
しなかったと思いますし、身体優先、選手生命優先で考えるならば、「悪しき前例」に
なってしまったとすら思っています。

……と、つらつら書こうと思ったら、脳震盪についての過去の事例もひいた
わかりやすい記事があったので、引用します。

以下、引用です。

羽生選手の側には、本番をこなさなければならない事情もあるだろう。
ファンの声に応えたい気持ちもあっただろう。そのこ とは個別の問題として置いておくとしても、
どうしても気がかりなことがある。それは、脳震盪に対する関心の低さと、脳震盪(の疑い)を
乗り越える姿が美談化される日本のスポーツ文化である。日本のスポーツ文化は、
根性で危機を乗り越える場面を、拍手でもってたたえる。そこには感動の涙が溢れている。

脳震盪の可能性が疑われるのであれば、どうか今回の出来事を機に、考え直してほしい。
そうした「拍手」や「感動」は、選手の生命をむしろ危機に追いやる可能性があるのだということを。

羽生選手に「感動」するだけでよいのか?
誤ったスポーツ観が選手「生命」を奪う 脳震盪後、1日は安静に

http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20141109-00040588/

私が言いたいことはほぼ、引用記事中で言いつくされていますが、
あと二つだけ。

・ケガをした選手が、すみやかに出場を辞退する勇気も讃えましょう。

・衝突相手の閻涵(えんかん/ハンヤン)選手も心配してあげましょう。

以上です!